旧姓の通称使用の法制化ではなく、選択的夫婦別姓の速やかな導入を求める要望書
旧姓の通称使用の法制化ではなく、選択的夫婦別姓の速やかな導入を求める要望書
日頃から、ジェンダー平等施策推進のためにご尽力いただいていることに感謝申し上げます。
日本婦人団体連合会は、女性団体・労働組合・市民団体の女性部など、24団体で構成する女性の共闘組織です。1953年の創立以来一貫して、平和、ジェンダー平等、人間らしい暮らしと労働を求めて活動しています。
2026年3月13日に閣議決定された「第6次男女共同参画基本計画」では、「婚姻による氏を変更した人が不便さや不利益を感じることがないよう、旧氏の単記も可能とする法制化を含めた基盤整備の検討を含め、旧氏使用の更なる拡大やその周知に取り組む」とされています。政府は、今秋の臨時国会に向けて、旧姓の通称使用単記使用のを可能とする法案の検討をすすめているとも報道されています。
しかし、旧姓の通称使用の法制化では、あくまでも旧姓を「通称」とすることが認められるだけであり、現行の夫婦同姓強制による、個人の尊厳への侵害が解消されるものではありません。そればかりか、二つの姓を認めることで、法的・社会的に大きな混乱をもたらすものです。国際的にも通用するものではありません。
現在、夫婦別姓での婚姻が認められないため、望まぬ改姓、事実婚、通称使用などによる不利益・不都合を強いられる人が多数存在します。夫婦同姓を法律で強制しているのは日本だけで、両性の平等と基本的人権を掲げた憲法に反します。婚姻の際、96%が夫の姓になっているのは間接的な女性差別です。旧姓の通称使用の法制化では根本的解決になりません。
国連女性差別撤廃委員会は、選択的夫婦別姓制度の導入について、2024年の報告審議の総括所見で4回目の勧告をおこない、3回目となるフォローアップ項目となりました。国連人権理事会等の国際機関も同様の勧告を繰り返しており、日本政府は自ら批准した国際人権条約実施の意思を問われているといえます。
1996年に法制審議会が選択的夫婦別姓導入などを含む民法改正要綱を答申してから四半世紀が経過しました。最高裁は2015年および2021年に、夫婦同姓の強制は合憲という不当な判断をしましたが、制度のあり方は国民の判断、国会にゆだねるべきとしました。国に対して、同制度の導入を求める地方議会の意見書も次々提出されています。こうした情勢のもとで、2025年の第217回国会において、28年ぶりに選択的夫婦別姓制度導入のための法案が審議入りしたのです。
以上のことから、個人の尊厳、アイデンティティを守るために、「旧姓の通称使用の法制化」ではなく、選択的夫婦別姓制度の速やかな実現を強く要望します。
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