ジェンダー平等社会の推進のために 実効ある第6次男女共同参画基本計画の策定を求める要請書
2025年4月11日
内閣総理大臣 石破 茂 様
女性活躍担当大臣・
内閣特命担当大臣(男女共同参画) 三原 じゅん子 様
内閣府男女共同参画局長 岡田 恵子 様
計画策定専門調査会委員 各 位
日本婦人団体連合会(婦団連)
会長 小畑 雅子
ジェンダー平等社会の推進のために
実効ある第6次男女共同参画基本計画の策定を求める要請書
日頃より男女共同参画社会の実現をめざして尽力されていることに、心からの敬意を表します。ジェンダー平等社会推進のために、実効ある第6次男女共同参画基本計画の策定を求める要請を行います。
日本婦人団体連合会は、女性団体、労働組合・市民団体の女性部など、22団体で構成される女性の連合体組織です。1953年の創立以来一貫して、ジェンダー平等、人間らしい暮らしと労働、平和を求めて活動をしています。
私たちは、女性も男性も仕事と生活を両立させて活躍できる社会の実現を心から願っています。しかし現状を見れば、女性の意思決定への参画は遅れ、男女賃金格差は是正されず、世界ジェンダー・ギャップ指数(GGI)の日本の順位は、146カ国中118位(2024年度)と「女性が輝く」には程遠い状況です。
昨年10月30日、国連女性差別撤廃委員会(CEDAW)は、第9回日本報告に関する総括所見を発表しました。総括所見では、日本のジェンダー平等の進捗が遅く、世界に取り残されていることが指摘され、多くの踏み込んだ具体的な勧告がされました。指導的地位や管理職における女性比率の目標値は、パリテが求められました。家父長制や差別的ジェンダーステレオタイプが、差別の温床になっており、社会のすべての段階で、女性、男性、少女、少年を対象として家父長的態度や差別的ステレオタイプを削除するための積極的・持続的な包括的戦略をとるように求められました。そして、これらの施策を推進し、ジェンダー平等と女性の地位向上のためのあらゆる公共政策と戦略を調整するために、女性問題とジェンダー平等に関する専任の省および都道府県、地方レベルでそれに対応する部局を設置することも求められました。
さらに、第6次男女共同参画基本計画の策定と実施にあたって、多様な女性市民NGOの参画、連携、支援の強化が勧告されています。すでに、策定専門調査会において、議論、作業がはじまっていますが、早急に幅広い、女性、市民団体からのヒアリングを行い、策定作業の段階から、意見を反映させること、素案に対するパブリックコメントについては、十分な期間をとり、ていねいな周知を行ったうえで、パブリックコメントの結果を公表し、その内容を第6次基本計画に反映することを強く求めるものです。
第5次男女共同参画計画は、「指導的地位の女性30%」目標を、「2020年代の可能な限り早期に」と先送りし、国際基準である203050から、大きく立ち遅れた現在の状況をつくりだしてしまいました。また、選択的夫婦別姓導入について、パブリックコメントにおいて、多数の賛成意見があったにも関わらず、「夫婦の氏に関する具体的な制度の在り方」に関し、「更なる検討を進める」と、第4次計画や5次計画当初案より、後退した表現にとどまりました。この結果、未だに、選択的夫婦別姓制度は実現せず、CEDAWの総括所見においても、導入実現が4回目の勧告が出され、フォローアップ項目として挙げられています。
「女性の権利を国際基準に」の声が広がり、女性差別撤廃条約選択議定書の早期批准を求める地方議会の意見書は359議会(2024年12月)に達しています。第5次計画で「諸課題の整理を含め、早期締結について真剣な検討を進める」としているにもかかわらず、未だに締結に向けたタイムテーブルさえ示されていません。
第5次計画を真摯に推進するとともに、第6次計画においては、政府のあらゆる施策にジェンダー主流化を位置づけ、国連女性差別撤廃委員会からの勧告に向き合った実効ある計画を策定することが求められています。
私たちは、ジェンダー平等社会の実現に向けて、憲法と国連女性差別撤廃条約にもとづく具体的な施策の推進を求めます。実効ある第6次男女共同参画基本計画の策定にあたって、下記事項について要請します。
記
- 憲法をいかし、平和であってこそ女性の人権が守られ、男女共同参画社会が実現されることを、第6次男女共同参画基本計画の前提条件として位置づけること。平和構築のプロセスへの女性の参画の重要性を明記すること。
- ジェンダー格差を解消し、ジェンダー平等を実現する実効ある第6次男女共同参画基本計画策定に向け、下記事項を盛り込むこと。
(1)政策・方針過程への女性の参画について、目標をパリテ(50:50)とすることを明記し、目標を達成するための実効ある方策を計画に盛り込むこと。とりわけ、女性が国会議員に立候補するための300万円の供託金減額を実現すること。
(2)男女賃金格差是正、全国一律最低賃金制の確立、均等待遇、間接差別の定義拡大など、働く場におけるジェンダー格差の解消施策をすすめること。包括的ハラスメント禁止法を制定するとともに、ILO190号条約を批准すること。
(3)女性に対するあらゆる暴力の根絶の施策を拡充すること。女性に対する暴力・人権侵害への対応を問われる日本軍「慰安婦」問題の解決を行うこと。沖縄の米兵による性暴力、ジェンダーにもとづく暴力を防止し、適切に処罰するための適切な措置を盛り込むこと。
(4)セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利、SRHR)にかかわり、緊急避妊薬、経口中絶薬へのアクセスをしやすくすること。人工妊娠中絶を求める女性に対する配偶者の同意要件を撤廃する法改正を行うこと。
(5)女性の貧困の原因となっている女性の低賃金、低年金問題の解決のための施策を盛り込むこと。また、医療・介護・年金の改悪をやめ、社会保障・社会福祉を拡充すること。
(6)差別的法規である所得税法第56条を廃止すること。
(7)独立した分野として、教育の課題を位置づけること。教育を受ける権利を保障するにたる教職員配置を実現するために、教職員定数改善を盛り込むこと。包括的セクシュアリティ教育を教育課程に位置づけること。
3.第6次男女共同参画基本計画を推進するための機関を位置づけ、すべての施策推進のために十分な予算を確保すること。
4.計画策定段階において、女性、市民団体からのヒアリングを行い、「素案」に反映させること。「素案」に対するパブリックコメントについては、十分な期間をとり、ていねいな周知を行ったうえで、パブリックコメントの結果を公表し、その内容を第6次基本計画に反映すること。
- 女性差別撤廃委員会からの総括所見において、フォローアップ項目に挙げられた夫婦別姓制度の導入について、第6次計画を待つことなく実現すること。
- 女性差別撤廃条約選択議定書の批准を、第6次計画を待つことなく速やかに行うこと。
ダウンロード ➡ PDF



