日本婦人団体連合会(Japan Federaltion of Woman's Organizalions)

談話

【談話】 第6次男女共同参画基本計画の閣議決定にあたって

【談話】第6次男女共同参画基本計画の閣議決定にあたって

政府は、本日、第6次男女共同参画基本計画(以下、6次計画)を閣議決定しました。6次計画は、2025年の年末に閣議決定される予定でした。しかし、12月12日に開催された男女共同参画会議に提出された「男女共同参画社会の形成の促進に関する施策の基本的な考え方について(答申)(案)」には、「第6次男女共同参画基本計画策定に当たっての基本的な考え方(案)」にも記述がなく、計画策定専門調査会で議論されたこともなかった「社会生活のあらゆる場面で旧氏使用に法的効力を与える制度の創設の検討」との文言が挿入されました。これは、民主的な議論や手続きを踏みにじる暴挙であり、参画会議においても異論が出されたことから、木原参画会議議長一任となり、男女共同参画会議による「答申」決定が、3月5日にずれ込む結果となりました。

さらに問題なのは、「6次計画答申」に対する自民党部会での検討結果を受けて、閣議決定された6次計画に、男女共同参画会議による「答申」にもなかった「旧氏の単記も可能とする法制化を含めた基盤整備の検討」との文言が挿入されたことです。

婦団連をはじめ多くの女性団体から、「答申」に挿入された「社会生活のあらゆる場面で旧氏使用に法的効力を与える制度の創設の検討」について削除を求める要望書などが寄せられたにもかかわらず、さらに「旧氏の単記も可能とする法制化」との文言が挿入された6次計画を閣議決定したことに強く抗議し、挿入部分の撤回を求めるものです。

 

6次計画策定にあたっては、日本のジェンダー平等に向けた取り組みを国際基準に引き上げ、憲法と女性差別撤廃条約に基づき、政府のあらゆる施策にジェンダー主流化を位置づけ、国連女性差別撤廃委員会からの勧告をいかした計画とすることが求められてきました。婦団連は、実効ある6次計画策定をめざして、内閣府への要請行動、計画策定専門調査会の傍聴、「素案」に対するパブリックコメントの提出などをすすめてきました。

6次計画は、5次計画の「指導的地位の女性30%」を「2020年代の可能な限り早期に」との目標さえ達成できていないことへの真摯な総括もないまま、「引き続き、2020年代の可能な限り早期に30%程度となることを目指し、取組を強化させる」としています。これでは、ジェンダーギャップ指数148カ国中118位(2025年発表)というジェンダー平等の遅れから脱却できません。2030年までに50%を目ざすという国際水準に見合った計画とすべきです。

選択的夫婦別姓制度の導入については、計画に「選択的夫婦別姓」との記述がまったくないばかりか、冒頭で指摘したように「旧氏の単記も可能とする法制化を含めた基盤整備の検討」との文言が挿入されてしまいました。第217回国会において選択的夫婦別姓制度導入のための法案が28年ぶりに審議入りし、国連女性差別撤廃委員会から再三勧告されている課題であり、直ちに実施すべきです。「旧姓の単記も可能とする法制化」「旧姓使用の更なる拡大」では、根本的な解決になりません。氏名は、個人を識別する唯一無二のもので、二つの法的な呼称を認めることは、社会に大きな混乱を招きかねません。個人の尊厳、アイデンティティを守るために、選択的夫婦別姓の実現を強く求めます。

 6次計画は、女性差別撤廃条約選択議定書の批准については「早期締結について真剣な検討を進める」としています。この間の男女共同参画基本計画は、「真剣な検討を進める」と同じ文言を繰り返しています。選択議定書に規定されている個人通報制度は、女性差別撤廃条約が女性一人ひとりの人権保障の実効性を持つための重要な制度です。女性差別撤廃委員会は「総括所見」で、「批准の検討に時間をかけすぎている」こと、「条約の国内適用に関する司法および国内法執行機関の能力欠如」に懸念を表明し、「選択議定書の批准に対するいかなる障害にも速やかに対処し、取り除くよう」勧告しています。検討を加速し、すみやかに批准することを求めます。

家族従業者の働き分を認めない所得税法第56条については、5次計画とまったく同じ記述で、「女性が家族従業者として果たしている役割に鑑み」と言いつつ、「事業所得等の適切な申告に向けた取組を進めながら、税制等の各種制度の在り方を検討する」としています。申告方法による差別を継続する内容です。世界の主要国では家族従業者の働き分を必要経費と認めており、女性差別撤廃委員会からも「所得税法第56条の見直し」が勧告され、所得税法第56条の廃止を求める意見書は584自治体で採択されています。差別的な法規である所得税法第56条は廃止すべきです。

5次計画では、第2分野「雇用等における男女共同参画の推進と仕事と生活の調和」として、雇用分野が独立して位置づけられていたものが、6次計画では分野名に「雇用」が位置づけられていません。雇用分野については、女性差別撤廃員会からは、11もの勧告が出されているところであり、勧告を踏まえ雇用分野におけるジェンダー平等施策を積極的にすすめることを求めます。

 

婦団連は、今後も第6次男女共同参画基本計画を検討し、必要な内容の実施を求めていきます。そして、憲法と女性差別撤廃条約に基づくジェンダー平等社会の実現に向け、さらに取り組みを進めます。

                                     以上

ダウンロード ➡ PDF

一覧に戻る

このページをシェアする このページをシェアする